MetaTrader 5(MT5)とは?

MT5 はメタクオーツ・ソフトウェア社が2011年にリリースしたFX取引のプラットフォームです。MT4よりも格段に動作スピードが速く、機能が向上しました。MT5はMT4の後継としてリリースされたわけですが、MT4で制作された膨大なカスタムインジケーターやEAに互換性がなかったために、MT5はなかなか普及しませんでした。

 しかし、メタクオーツ社の方針もあり、近年、徐々にMT5を扱う業者が増えてきています。その中の1つが、MT5専用ブローカーNOZAXなのですが、NOZAXについては、別のページで紹介するとして、ここではMT5の特徴についてご紹介します。

MT4とMT5の違い

MT4とMT5の主な違いです。

MT5MT4
動作スピード速い(64bit)普通(32bit)
時間足21種類9種類
気配値、ナビゲーターウィンドウわかりやすい、使いやすい並み
対応しているEAの数少ない多い
対応しているカスタムインジケーターの種類少ない多い
標準搭載のインジケーター38種類30種類
モバイルアプリ機能が少ない機能が少ない

MT5の動作スピード

MT5の特徴の第一は、何はともあれ、動作スピードが速くてサクサク動くことです。PC版でもアプリ版でも動作が非常に速く、MT4で感じるモサッとした感覚はありません。

特に、たくさんの通貨ペアを監視する場合などに違いがよくわかります。スキャルピングなど一瞬の値動きに左右されるトレードを行う場合、動作スピードが速いMT5が適しています。ただし、処理速度・機能が向上した分、稼働させるPCに求められるシステム要件が高くなりました。

MT5の動作環境(PC)


≪Windows≫

動作環境CPU: 2コア(SSE2命令セットをサポート)
メモリ: 2GB
ハードディスク空き容量: 32GB
OS: Windows10 64 bit
推奨環境CPU: 4コア(SSE2命令セットをサポート)
メモリ: 8GB
バードディスク空き容量: 256GB SSD
OS: Windows10 64 bit
※上記はMT5をダウンロードした時点(初期)での動作環境であり、その他必要なPCの性能はMT5のご利用方法(EA、インディケータなどツール類の使用有無、常時開いているチャート数など)によって異なります。
※Microsoftのサポートが終了したOSでも動作いたしますが、セキュリティ上の問題が発生するおそれがあるためご利用は推奨いたしません。

≪Macintosh≫

OS: Appleがサポートするすべてのバージョン
※必要なPCの性能はMT5のご利用方法(EA、インディケータなどツール類の使用有無、常時開いているチャート数など)によって異なる。

MT5の時間足の種類

MT5の特徴の第二は時間足の種類が増えたことです。MT4では9種類の時間足だったわけですが、MT5では21種類の時間足を表示できるようになりました。

時間足の種類が増えた分、MT4よりもより詳しい相場分析が可能になりました。特に、1分足から6分足までは1分刻みで時間足を切り替えられるので、スキャルピングなどの短期トレードを行うトレーダーにとっては、大きなアドバンテージとなります。

MT41分足、5分足、15分足、30分足、1時間足、4時間足、日足、週足、月足9種類
MT51分足、2分足、3分足、4分足、5分足、6分足、10分足、12分足、15分足、20分足、30分足、1時間足、2時間足、3時間足、4時間足、6時間足、8時間足、12時間足、日足、週足、月足21種類

MT5の便利機能

MT5で追加された新機能の中でも、特に際立っているのが、ミニチャートと経済カレンダーです。

ミニチャート

ミニチャートとは、別の時間足のチャートを小さく表示できる機能のことです。
「挿入」→「オブジェクト」→「グラフィック」→「チャート」の順に選択し、表示させたい位置に合わせてクリックするとミニチャートが表示されます。

例えば、5分足のチャート上に、4時間足、1時間足、15分足といった複数の時間軸のミニチャートを同時に表示することもできます。MT4の場合、マルチタイムフレーム分析は、チャートを切り替えて実施する必要があった訳ですが、MT5では、上位時間軸のトレンドが一目で確認できるようになりました。


指標カレンダー

ファンダメンタルズ分析には「指標カレンダー」が必要不可欠ですが、MT4にはこれを表示する機能はなく、外部サイトや専用ツールを使わざるを得ませんでした。MT5では、標準で「指標カレンダー」が装備され、簡単に表示できるようになりました。メニューの「表示」から「ツールボックス」を選択し、「指標カレンダー」タブをクリックするだけです。

少数精鋭のEA・カスタムインジケーター

MT5の普及に時間がかかっているのは、対応したEAやカスタムインジケーターの種類が少ないことが理由であるのは確かです。プログラム開発で使われるMQL5は難易度が高く、現時点でMT5のプログラムを開発できる人が多くはないからです。しかし、徐々にMT5用のEAやインジケーターを開発ができる人も増えてきました。MT5 EAやインジケータを簡単に制作できるオンラインツールやソフトウェアも出始め、急速に数を増やしています。これに伴い、MT5用の高機能/高精度なEAやインジケータも出始めています。例えば、複数の通貨ペアの動きを監視して、その動きに応じて、同時に複数の通貨ペアのポジションを取るような複雑なEAもあります。このようなEAはMT4では作り得ません。MT5の優位性が認識され始めれば、MT5の普及もさらに加速するでしょう。

MT5のススメ

 MT5はとにかく動作スピードが速く、MT4より機能性が高いため、特に裁量トレーダーに勧められてきました。一方、対応EAの多少を理由に、EAを使った自動売買は「MT4」と言った具合に、MT5とMT4との使い分けが推奨されてきました。しかし、上述したように、MT5に対応した高機能/高精度なEAが増え始め、当然、それらを使用するならばMT5を選択する必要があります。
 メタクオーツ社の方針で、既にMT4の開発は終了し、徐々にMT5への移行が進められています。また、取引環境についても、PCやVPSサーバのスペックが向上し、これがネックになることは少なくなりました。裁量トレードも自動売買も「MT5」といった具合に、MT5が主流のプラットフォームとなる日は近いように思います。